透析治療部門

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透析治療部門

現在の透析療法は完全でしょうか?30年以上の長期生存が可能となったのですから人工臓器としての性能は高いでしょう。しかし、筋肉萎縮、栄養障害、動脈硬化、透析アミロイド症、腎性貧血、皮膚掻痒、不眠、高血圧、骨ミネラル代謝異常などの合併症が今日でも高頻度に見られるということは、なお改善の余地があることを示しています。
透析療法の問題点としては、尿毒素の除去能力不足と治療の副作用が挙げられます。腎臓と比べると透析療法は大きな尿毒素の除去が著しく悪く、かつ時間も10分の1未満に過ぎません。また、ダイアライザーや回路などは体にとって異物であり、血液に対し慢性の副作用を及ぼします。さらに、透析液が細菌に汚染されているとエンドトキシンなどの毒素が体内に流入し、副作用を及ぼします。
以下は、当院が考える透析療法の質を決める6つのCです。

6つのC

  • 1.効率を上げる高機能膜を使用した血液透析濾過または血液濾過
  • 2.透析時間は長い方がよい
  • 3.生体に副作用を及ぼしにくい材質のダイアライザーや回路を選択する
  • 4.透析液汚染をなくす(細菌やエンドトキシンがゼロの透析液の供給)
  • 5.透析合併症管理に力を入れる。
  • 6.医療経済効率が良い。

当院が提唱するひとつ上をゆく3つの透析治療について。

  • 超純粋透析液の使用
  • Online HDF治療
  • 長時間透析

超純粋透析液の使用が必要です。

透析液は常に汚染の危険にさらされています!
透析患者さん1人あたり、一回の透析治療で使用する透析液の量は120~200リットルにおよびます。一般家庭の浴槽を一杯に充たした量に匹敵します。透析液に使用する純水の製造は、透析施設に設備された水処理設備で水道水を浄化することにより確保しています。水道水に含まれている重金属イオンなどの有害物質は、安全なレベルにまで取り除かれています。ところが、近年になって透析施設で製造している純水は、細菌で汚染されていることが明らかになりました。中でも人体に有害な作用を及ぼすエンドトキシン(細菌に含まれる毒素)のレベルは、全国調査によると1リットルあたり数百から数千単位にも及ぶとされています。当院では、すでに1997年に最初の新しい逆浸透法を開発し、現在では第三世代の純水製造システムが稼働しています。このシステムにより、エンドトキシンが全く含まれていない超純水を恒常的に供給することが可能となっています。当院独自の純水管理工程値は製造メーカーの純水管理工程値よりも厳しいもので、世界最高の水質を誇っています。

北九州ネフロクリニック純水管理工程値
細菌数 ゼロ
エンドトキシン値 ゼロ
導電率 3uS/cm
TOC 500ppb以下

透析液が細菌やエンドトキシンに汚染されていると人体にどのような不都合が生じるのでしょうか?

透析液に含まれているエンドトキシンなどの有害物質は、ダイアライザーの膜を通過して血液に侵入してきます。エンドトキシンは様々な有害反応を人体に引き起こします。
汚染が起きた場合に早期に出現する短期合併症としては
①発熱、悪寒(寒気)、震え②消耗、だるさ③血圧低下
などがあります(ただし、これらの症状が見られても、即、エンドトキシンが原因とは決めつけられません。汚染がなくても体外循環自体の作用により、軽い発熱は見られることがありますし、除水量が多いときに血圧が下がるのはエンドトキシンとは無関係です。)
また、長年汚染された透析液で治療されていると、慢性に炎症が続き、

  • 1.動脈硬化の促進。
  • 2.筋肉の衰えの加速。
  • 3.老化が速まって寿命が短縮。
  • 4.透析アミロイド症という独特の骨・関節障害が加速し、痛みや運動制限を起こす。

と言った長期合併症が起きます。
今日、透析治療は30年あるいは40年生存時代と言われるようになりました。将来においても生活の質を維持し、安心な生活を送るためには、日々の透析液に汚染がないことが重要です。

当院の新しい純水製造システム

当院の新しい純水製造システム

新しい純水製造システムの中核を成すのは連続再循環低圧作動自動洗浄機構付逆浸透装置(JMS透析用水処理装置ピュアフロー)です。水道水の細菌汚染は完全に遮断され、その後も新たな細菌汚染が発生しない構造になっています。

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on-line HDF

血液透析は生命の維持に関して最も実績がある治療法です。しかし、腎臓の全ての機能を代替しているわけではありません。代替できないところ、それが透析合併症なのです。透析合併症には以下のものがあります。

  • 透析アミロイドーシス
  • 骨ミネラル代謝異常
  • 腎性貧血
  • 動脈硬化
  • 栄養障害
  • イライラ感や不眠などの精神神経障害
  • 皮膚掻痒症をはじめとする皮膚障害

血液透析は低分子量物質の除去効率は高いものの、β2ミクログロブリンに代表される大分子量物質の除去は血液濾過より劣ります。オンライン血液濾過透析(On-lineHDF)は血液透析と血液濾過の長所をあわせもつ方法です。超純度に清浄化した透析液を使用し、70~90Lという大量の置換が可能です。従って大分子量物質の除去効率が高まり、次のような臨床効果が報告されています。

  • 透析アミロイドーシスによる関節痛の改善
  • 皮膚掻痒感の改善
  • 食欲増進
  • 貧血改善
  • イライラ感、不眠の改善

おきてしまった合併症の軽減だけでなく、これからの透析生活で起こることが予想される合併症を予防する意味もあります。

オンラインHDF治療の条件

  • 1.高性能膜では逆濾過が存在しますので、血液透析中にダイアライザーから血管内に透析液が流入しています。しかしon-line HDFではHDとは比較にならないほど大量に体内に透析液が入りますので、わずかに混入した物質でも大きな問題になります。透析液の清浄度を厳重に管理する必要があります。
  • 2.効率の高いHDFを行うためには、十分な血流がとれる内シャントが必要です。
  • 3.自己管理ができていなければ、良い治療法を導入しても結果は得られません。治療の意義を理解して自己管理することが大切です。

当院では、最新のon-line HDFが施行できるように設備を整えています。

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on-line HDF

週3回、1回6時間を基本とした、週18時間以上の透析治療を長時間透析と言います。
当院では、長時間透析を以前から行っています
長時間透析の利点は、透析合併症の軽減があげられます。
透析中の血圧低下予防、食欲の低下改善、高カリウム血症の是正、高リン血症の改善、高血圧の改善、貧血の改善、心臓機能の維持や低下予防、かゆみ、色素沈着(色が黒くなる)の改善や透析アミロイドーシスの予防です。
患者さんの病状によっては7時間行うことも出来ます。
当院では重度の心臓疾患の方は、週4回から週5回の頻回透析も行っております。
透析合併症の軽減によって、さまざまな薬剤の減量や中止が可能なことがあります。
可能な方はご相談いただければ進めてゆきたいと考えております。
そのために曜日変更や透析開始時間が変更になることもあります。

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